【初心者OK】Python基本文法の入門ガイド|現役の製造業エンジニアが実務で使うスクリプト基礎構文を解説
💬 今日のテーマ:「製造業エンジニアのためのPython文法入門」
測定データの整理、品質評価のロジック検証、試作結果のレポート作成──。
製造業や研究開発の現場では、地味だけど手間がかかるルーチン作業が日常的に発生します。
「Pythonで自動化したい」と思いつつも、
「文法がわからない…」
「何から覚えればいいの?」
と感じる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、製造業の現場でPythonを活用するための第一歩=基本文法の習得をテーマに、実務に即した視点でやさしく解説します。
✅ Python環境の構築がまだな方はこちらを参考にしてください👇
部品名 = "Oリング"
測定値 = 10.52
合格 = True
print(type(測定値)) # <class 'float'>
📦 Python基本文法とは?なぜ現場エンジニアに必要なのか?
Pythonは、シンプルな構文と豊富なライブラリが魅力のプログラミング言語です。
製造業の現場では、たとえば次のような用途で活躍しています:
- 測定データの一括処理とファイル出力
- 不良品の自動判定ロジックの実装
- 試験結果をもとにしたレポート自動生成
こうした“現場ならでは”の作業は、基本文法を正しく理解しているかどうかで実装のしやすさが大きく変わります。
本記事では、実務でもそのまま活かせるようなPythonの文法を、最短ルートで解説していきます。


1. 変数とデータ型の基礎
“変数=ラベルを貼った箱”という考え方
Pythonでは、変数の宣言がとてもシンプルです。
材料名、ロット番号、測定値…現場で扱うどんな情報も、変数にラベルをつけて整理できます。
部品名 = "Oリング"
測定値 = 10.52
合格 = True
print(type(測定値)) # <class 'float'>
📤 実行結果:
<class 'float'>
str_値 = str(測定値)
print(str_値) # '10.52'
print(type(str_値)) # <class 'str'>
📤 実行結果:
10.52
<class 'str'>
よく使うデータ型
データ型 | 説明 | 例 |
---|---|---|
int | 整数 | 数量、ロット番号など |
float | 小数点ありの数 | 測定値、比率など |
str | 文字列 | 品名、コメントなど |
bool | 真偽値 | 合否判定など |
💡「どの型を使うか?」は、“その値をどう使うか”で決まります。
測定値は計算したい →float
、製品名は表示したいだけ →str
2. 演算子と式の使い方
“式=現場ロジックのミニ再現”
現場の生産効率、歩留まり、合否判定ロジックなどは、式で書くとすっきり整理できます。
稼働時間 = 7.5
総時間 = 8.0
稼働率 = 稼働時間 / 総時間 * 100
print(f"稼働率:{稼働率:.1f}%")
📤 実行結果:
稼働率:93.8%
よく使う演算子一覧
+ - * /
(加減乗除)== != < >
(比較:等しい、違う、大きい、小さい)and or not
(論理:複数条件の組み合わせ)
💡 複雑な式は括弧 () を使って意図を明確にするとミスが減ります。
3. 制御構文:条件分岐とループ
“条件で分ける・繰り返す”は現場でもおなじみ
✅ 条件分岐(if)
測定値 = 10.52
if 測定値 > 10.0:
print("合格")
else:
print("不合格")
📤 実行結果:
合格
- 品質基準を満たすかどうかのロジックにそのまま使えます。
✅ ループ処理(for / while)
for i in range(3):
print(f"試験{i+1}回目を実行中...")
📤 実行結果:
試験1回目を実行中...
試験2回目を実行中...
試験3回目を実行中...
break
:途中で中断 /continue
:特定条件だけスキップ
💡「for文で試験ルーチンを自動化」など、日常作業の効率化に直結します!
4. 関数の定義と活用
“同じ処理はまとめて管理”が鉄則
def 判定(値, 基準):
if 値 > 基準:
return "合格"
else:
return "不合格"
測定値 = 9.8
結果 = 判定(測定値, 10.0)
print(f"判定結果:{結果}")
📤 実行結果:
判定結果:不合格
呼び出しは一行でOK:
結果 = 判定(測定値, 10.0)
🔄 実体験コメント:
私も最初は、「関数ってわざわざ定義しなくても、直接書けばよくない?」と思っていました。
でも、似たようなロジックを何度も書いているうちに、「あ、これをまとめておけば後で楽なんだな」と実感するようになりました。
現場で何度も使う処理こそ、関数にしておくとメンテと可読性の観点で本当に便利です。
💡 実務の例:正規化関数(統一スケールで比較)
def normalize(x, mean, std):
return (x - mean) / std
norm_値 = normalize(測定値, 10.0, 0.5)
print(f"正規化後の値:{norm_値:.2f}")
📤 実行結果:
正規化後の値:-0.40
応用:正規化+判定を組み合わせる
複数の工程を比較するときなど、正規化された値を使って統一基準で合否判定することも可能です:
norm_値 = normalize(測定値, 平均値, 標準偏差)
結果 = 判定(norm_値, 1.5) # Zスコア1.5を基準に判定
📌 特性値や検査項目の「比較しづらさ」を関数で統一フォーマット化できます。
5. エラー処理とデバッグ
“壊れないコード”を書くための保険
try:
結果 = 100 / 0
except ZeroDivisionError:
print(\"ゼロ除算エラー:分母は0にできません!\")
📤 実行結果:
ゼロ除算エラー:分母は0にできません!
- よくある例:空白ファイルの読み込み、型の違いによる演算ミスなど
💡 エラーメッセージは“Pythonからのヒント”。読めるようになると調査・対応スピードが劇的に変わります。
💬 実体験コメント:
正直、最初はエラーの内容を見ても何が起きてるのかよく分かりませんでした。
毎回あやしいところに print()
文を入れて、「この変数ちゃんと入ってる?」「ここの値ってどうなってる?」とひたすら“手動デバッグ”してました(笑)
でも、慣れてくると try-except
をうまく使えば予期せぬエラーにも冷静に対応できるようになるし、print()
での確認も「仮説→検証」として使えるようになります。
今思えば、“printで追う”のは立派なデバッグ技術の第一歩でした。
測定値 = ""
print(f"測定値:{測定値}")
6. まとめと次回予告
おつかれさまでした!
今回は、製造業エンジニアが実務でPythonを使うための“基礎中の基礎”となる文法を、一歩ずつ整理してきました。
✅ 変数やデータ型の考え方
✅ if文やfor文を使ったロジック構築
✅ 関数の再利用性とエラー処理の基本
ここまでの内容が理解できれば、**「Pythonって意外とシンプルかも」**と思えたのではないでしょうか?
私自身も、最初はprint文で原因を一つずつ探す日々でした。
でも今では、**その積み重ねが“現場の業務を自動化する力”**になっていると実感しています。
🔜 次回予告:「Pandasを使ったデータ分析入門」
次回は、CSV形式の測定データや試験結果を使って、
- ファイルの読み込み
- 欠損値の確認
- 集計やグラフ表示(可視化)
など、**“実務でよくあるデータ処理”を一緒にやっていきます。
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